米アップルの新型携帯電話「iPhone(アイフォーン)3G」が日本を含む世界21カ国・地域で2008年7月11日に発売され、わずか3日間で100万台を販売したという。出足としては、業界の予想を上回る好調な売れ行きで、日本国内ではアイフォーン3Gの契約先となるソフトバンクモバイルの販売台数シェアが、初日はNTTドコモを抑えて50%を超えたという。もちろん、ソフトバンクのシェア50%はアイフォーン特需に伴う瞬間風速。しばらくたってみないと好不調の判断はできない。話題先行の新型アイフォーンのマスコミ報道には注意が必要だ。
販売初日の11日のシェア40.8%でトップ
予想を上回る好調な売れ行きをみせた「iPhone」(写真は発売セレモニーで)
アイフォーン3Gの100万台突破について、アップルのスティーブ・ジョブスCEO(最高経営責任者)は「アイフォーン3Gの発売後、初の週末は素晴らしいものになった。初代アイフォーンが100万台に達するのに74日かかったことを考えると、新しいアイフォーン3Gは世界中で素晴らしいスタートを切ったことになる」と、自画自賛して見せた。
初代アイフォーンは2007年6月に米国で発売後、世界で600万台売れるヒット商品となったが、2代目がこれを上回るのは間違いない。日本国内の携帯端末は100万台売れれば大ヒットとされるだけに、世界市場でわずか3日で100万台というのは、業界の常識を覆すすさまじい数字だ。
日本国内の人気ぶりを裏付けるデータもある。市場調査会社「GfKジャパン」によると、携帯端末のモデル別販売数量シェアで、アイフォーン3Gは販売初日の11日に40.8%でトップとなり、ソフトバンクモバイルの販売数量シェアも前日10日の19%から50%に上昇したという。
徹夜で並んで購入した若者には「転売」目的もいる
ところが、翌12日のモデル別シェアでアイフォーン3Gは20.9%、ソフトバンクのシェアは36%に早くも低下。初日の好データはアイフォーン投入に伴う瞬間風速的な数値であることを裏付けた。
しかし、携帯電話業界関係者によると、アイフォーン3Gを徹夜で並んで購入した若者らの間では、端末が品薄となることを見込んで、転売するために購入した人が相当数含まれているという。正確に言うと、携帯電話は転売できないため、名義変更することで、実質的に希望者に高値で売り飛ばすのだという。
GfKジャパンは「発売から1週間程度で、シェアは落ち着く」と見ており、今後も調査を継続する方針だ。アイフォーン3Gの販売上の実力がわかるのは、次回調査がまとまる8月下旬となりそうだ。