世界の自動車業界再編が一気に進む可能性
「今後、ビッグ3が絡む大規模な再編が起こってもおかしくない」(自動車業界関係者)との声も少なくない。フォードの経営状況も厳しく、7月24日に発表した08年4―6月期決算は、86億6700万ドル(約9300億円)の大幅赤字となった。ある米経済誌は最近、「GMがフォードとの合併について検討している」と報じた。結局、「合併よりも北米事業の再建が重要」と判断したGMの幹部の多数の意見により、合併話は立ち消えになったとされるが、「十分あり得る話」(同)との指摘も少なくない。窮地に陥るビッグ3が、厳しい現状を打開するため、あらゆる選択肢を念頭に置いている一端を垣間見せたエピソードとみられているのだ。
GMは現在、リストラ策の一環として、ハマーの売却を検討しているとされるが、売却相手としては、インドのタタ・モーターズなど新興国の勢力が絡むともうわさされる。ビッグ3の苦戦で、世界の自動車業界再編が一気に進む可能性が出た。