米ビッグ3目を覆う惨状 GMとフォードの合併説流れる

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   20世紀の世界の経済界をリードしてきたゼネラル・モーターズ(GM)、フォード、クライスラーの米自動車大手3社(ビッグ3)が今、歴史的ともいえる苦境に立たされている。ガソリン価格の高騰にみまわれ、自動車販売台数の激減を余儀なくされているためだ。なかでも世界最大手のGMは、資金繰り懸念が指摘され、経営危機のうわささえ流れる事態だ。

GMの経営破たんを示唆する声まで浮上

   2008年6月の米新車販売台数は、前年同月比18.3%減と15年ぶりの低水準になった。GMは同18.2%減、フォードは同27.8%減、クライス ラーは同35.9%減といずれも2ケタの減少。ビッグ3全体でみた減少幅は同約25%減で4分3に落ち込んだ計算となり、目を覆うばかりだ。

   最大の苦戦要因は、ビッグ3の牙城ともいえるピックアップトラックやスポーツタイプ多目的車(SUV)などの大型車が、米国で急速に売れなくなっていることだ。実際、GMのSUV「ハマー」は同約6割減の大幅な減少となっている。

   SUVなどの大型車は馬力が強く、米国人好みの車種といえる。さらに、メーカー側にとってみれば大型車は利幅が大きく、大型車に注力してきたビッグ3の収益源でもあった。しかし、裏返せば、大型車は燃費が悪く、ガソリンの消費量は高い。記録的なガソリン高の中では敬遠される存在となり、ビッグ3は身動きが取れなくなってしまったのだ。

   こうした中、GMの経営破たんを示唆する声まで浮上し、GMの株価は今月に入り、54年ぶりに10ドルを割り込む安値圏まで急落した。慌てたGMは08年7月15日、普通株の配当停止や大幅な人員削減を盛り込んだ追加のリストラ策を発表した。6月には、工場の閉鎖やハマーの売却を検討する方針を明らかにしたばかりで、わずか2カ月でリストラ策を2回も相次ぎ発表するという異例の対応となった。2回目のリストラ策で、資産売却や市場からの資金調達策を公表したことから、GMの株価急落はひとまず止まったが、不透明感がすべて解消されたわけではない。

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