無差別殺人犯は「派遣」と「無職」 これは「格差社会のせい」なのか

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   東京・八王子にあるショッピングセンターの書店で、女性2人が男に刃物で刺されて死傷する無差別殺傷事件が発生した。自称派遣社員の男は「仕事がうまくいかず、親に相談したが乗ってくれなかった」などと供述しているという。相次ぐ無差別殺人事件の犯人は無職や派遣社員である場合がほとんどだ。直接的な因果関係があるかどうかは別にしても、インターネット上では「格差社会のせいなのか」をめぐって議論になっている。

「仕事がうまくいかないことで親に相談した」

   東京・八王子の京王八王子ショッピングセンターにある書店で2008年7月22日夜、2人の女性が包丁で刺され、中央大学文学部4年生の斉木愛さん(22)が死亡した。警視庁は会社員の菅野(かんの)昭一容疑者(33)を殺人未遂の疑いで逮捕した。調べに対し菅野容疑者は、「仕事のことでうまくいかず、親に相談したが、乗ってくれなかった。無差別に人を殺そうと思い、文化包丁を買って書店に行った」などと供述しているという。一方、菅野容疑者の父親は「全部自分で勝手に仕事していて、親が相談に乗ってくれないなんて、そんな話は全然ない」と話しており、「仕事がうまくいかないことで親に相談した」とする容疑者の言い分を否定。菅野容疑者とは別居状態が続いていたという。

   無口でおとなしい性格だったという容疑者は職場で負傷して療養中だった。8月からは職場に復帰する予定だったというが、無差別殺人に至った詳しい動機などは今のところ分かっていない。

「人と関わりすぎると怨念で殺すし、孤独だと無差別に殺すし 難しいね」
「誰でもよかった」
「なんかわかる気がする」
「チャンスは全ての人に平等に与えられるべき 生かせるか生かせないかはその人次第」
「もしかして、俺、チャンスを逃してるわけ?そんなチャンス、人生に一回もなかったけど」

   こんな書き込みを携帯電話の掲示板サイトに残していたのは、東京・秋葉原で2008年6月8日に17人が死傷する無差別殺人事件を起こした派遣社員・加藤智大容疑者(25)。この掲示板サイトには、派遣社員として働くことにたいする不満や孤独感が吐露されていた。

   08年3月に茨城県土浦市のJR常磐線荒川沖駅構内で8人が殺傷された事件を起こした金川真大容疑者(25)もまた無職だった。金川容疑者は「複数殺せば死刑になると思った。だれでもいいから7,8人殺そうと思った」などと犯行の動機について供述。

   無職の沢田尚哉被告(32)は2月17日、東京・新宿区の公衆トイレで用を足していたタクシー運転手を背後から金槌で4回なぐりつけ、殺人未遂の現行犯で逮捕された。「死のうと思ったが死に切れなかった。誰かを殺せば死刑になると思った」などと供述しているという。「無差別殺人」に手を染めたのは無職や派遣社員という、「格差社会」でいうところの「底辺」と呼ばれる人たちが突出して多いのが実情だ。これは偶然なのだろうか。

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