「ヲタ心をくすぐるものが、出てきていない」
ジャーナリストの井上トシユキさんは、こんな状況に対して
「当初はユーザーの興味をそそったサービスだったのですが、もう、飽きられてしまったのでは」
と感想を漏らす。
「最近、『ニコ動』ユーザーからは『コメントが多く、目がチカチカして見づらい』という声が増えています。『(コメントが動画上に表示されない)ユーチューブで静かに見たい』という人もいるようです」
また、飽きられている原因については、「次のバージョンが出てこないから」と分析。
だが、「ニコ動」は、7月5日にバージョンアップされ、コミュニティー機能が実装されたばかり。さらに、8月中旬には創作活動を支援するための著作物共有サイト「ニコニ・コモンズ」がオープンすることになっている。それでも、井上さんは
「『ヲタ心』(オタクの心)をくすぐるものが、出てきていない」
と話す。そして、「ヲタ心」をくすぐるための鍵は、やはりユーザーの参加を促すための仕組み作りにあると訴える。
「ユーザーは、例えば『初音ミク』みたいな、自分で音声や動画を創りやすくなる仕組みが登場することを望んでいます。『ニコ動』が出現したとき、ネットユーザーに大きな衝撃を与えました。『ここまで出来るんだ!』『こんなことも出来るの?!』と、『ヲタ心』をくすぐった。そういう仕組みが、もう一度必要とされているんです」