「変態ニュース」毎日新聞3ページに渡り謝罪 外部の警告放置「深刻な失態、痛恨の極み」

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    毎日新聞社は2008年7月20日、同社の英語版ニュースサイト「Mainichi Daily News」で過去に配信した記事に「低俗すぎる」との批判が相次いだことを受け、同日付けの紙面と同紙のインターネットサイトに検証記事を掲載した。「何度もあった外部からの警告も放置していました。いずれも深刻な失態であり、痛恨の極みです」と述べ、謝罪している。

「性的な話題を取り上げるとユーザーの反応がよかった」

   7月20日付けの毎日新聞では、1面、22、23面に「お詫び」と内部調査結果を掲載、ウェブサイトでも同様の記事が掲載されている。問題となった記事を執筆していた外国人記者は、同サイトの「編集長」としてサイトを統括しており、チェック機能が働いていなかったことや、外部からの指摘が07年10月から寄せられていたのにもかかわらず、放置していたことが明らかにされた。

   J-CASTニュースの2008年6月20日の記事「毎日新聞英語版サイト 『変態ニュース』を世界発信」でも報じた通り、「Mainichi Daily News」の「WaiWai」というコーナーでは、「六本木のレストランで豚を獣姦し、その後食べた」といった内容の記事を過去に配信。毎日新聞の検証記事では、「いずれも事実の裏づけもないまま翻訳して記事化していた」としている。「WaiWai」では、週刊誌などで書かれた内容を紹介するかたちをとっていたが、07年7月に配信した「防衛省の『ロリータ』漫画キャラクターでその内実が明らかに」という記事では、防衛省について「真珠湾攻撃と南京大虐殺で世界に名を知らしめた政府省庁」という表現を加筆したケースがあった。同社は、「WaiWai」で利用した雑誌の発行元の出版社と対応を協議しているという。

   「変態ニュース」が長年にわたり配信された背景について、同紙は「担当記者が性的な話題をおもしろがることを心配する声もあった」と明かしている。外国人記者は同サイトに関心が集まることを意識しており、「母国での就職難のため来日した。仕事を失うことに恐怖感があり、MDN(編注:Mainichi Daily News)を閉鎖する言い訳を誰にも与えたくない」などと述べた。また「性的な話題を取り上げるとユーザーの反応がよかったので、そういう話題を取り上げた」のだという。

「不適切」「誤解を生む」といった指摘も放置

   取り上げた雑誌記事との照合もほとんど行われず、ほとんどの記事が外国人スタッフのあいだで完結。国内外から寄せられていた「不適切」「誤解を生む」といった指摘も放置された。

   同紙は「不適切な記事を掲載し続けたことは報道機関として許されないことでした。日本についての誤った情報、品性を欠く性的な話題など、国内外に発信するにはふさわしくない内容でした」として謝罪している。

   同社が設置した第三者委員会の委員・吉永みち子氏は、毎日新聞がこの問題にからんで「誹謗中傷の書き込みには法的措置を取る方針だ」と発表したことについても触れ、「まず謝罪すべき段階に、自分も被害者だと言ってしまうのでは納得を得られない」と同紙紙面上で述べている。

   同社は、総合メディア事業局長だった渡辺良行常務らを7月20日付けで追加処分し、新編集長の下で9月からニュース中心のサイトに刷新するとしている。

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