「入社10年は泥のように働け」 IT業界はみんなそうなのか

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「自殺がありました」。こんな告白はしょっちゅうある

「プログラマーの人材募集に誰も応募してこない。人材派遣会社に聞いてみたら、やっぱりこの仕事のイメージが悪いようだ。他の会社もみんな欲しがっているのにもかかわらず、だれもプログラマーになろうとしない・・・」

   こう嘆くのはあるIT企業の会社員。IT関連の業務は「ハードワーク」というイメージがつきまとっているのは事実のようだ。IT業界の人材不足を受け、IPAが実施した調査結果(08年1月発表)によれば、新卒採用の課題として「IT業界というだけで、仕事のイメージが良くない」と回答したIT企業が46.5%もあり、深刻な課題であることを示している。

   自身も「泥のように働いた」というあるプログラマーは、

「小さな会社になればなるほど仕事はきつい。IT企業は合理的だと思われているのかもしれないが、『IT土方』って言葉があるくらい、システム関係は単純作業が多い。前の会社ではうつ病になった人もいた」

と打ち明ける。

   08年1月には大手IT企業のプログラマーだった男性がうつ病を発症し、「過労自殺」であるとして労災が認められるというケースもあった。「IT企業に勤めています・・・自殺がありました」。実際、インターネット上ではこんな告白があるほど、IT企業での「ハードワーク」が話題になっている。「泥のように働く」かどうかは企業によるだろうが、深刻な状況におかれたエンジニアが多くいるのは確かなようだ。

   ある上場IT企業の創業者は別の点を指摘する。

「泥のように働けといっても、対価次第でしょう。株式公開したら1000万円手に入ります、では24時間働くやつはいないけど、これが1億円、2億円だったら違うと思いますよ」

   もっとも、最近は株式市場が低迷して、株式公開の数が減り、従業員が手にするお金の額も少なくなるばかり。となると、「泥のように働く」人も減っているかもしれない。

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