BSデジタル放送の新規参入を目指す事業者に対し、通販番組などの放送量を政府が規制する可能性が出てきた。BS各局の通販番組は、放送の半数近くを占め、「通販番組が多すぎる」といった指摘も寄せられている。専門家からも「放送免許をもらったことをいいことに過剰なマーケット中心主義に走るのは、放送産業の衰退を進める」といった指摘もでている。
不満が視聴者側から噴出
総務省のBSデジタル放送の「通販番組」規制はあるのか?
2008年7月16日付の朝日新聞は、総務省が新規にBSデジタル放送に参入する事業者に対し、通販・ショッピング番組などの広告放送の総量規制を課す、と報じた。同紙によれば、広告に偏った番組編成で視聴者からの苦情や消費者団体からの要望もあってのことだという。
総務省は、2011年にBSアナログ放送が終了することやBSデジタル放送枠の拡大を受け、BSデジタル放送に新規参入する事業者の認定に動いている。08年7月中には放送業務の認定に関する基本的方針が発表される予定だ。同省情報通信政策局はJ-CASTニュースに対し「現在まさに作業途中のもので(広告放送を規制については)どういうことであのような報道になったのかは把握していない」と話している。しかし、朝日新聞は、同省幹部の
「広告が自己目的化した番組を大量に流す放送局を優先的に参入させる理由はない」
という言葉を紹介しており、新規参入事業者への広告放送規制が現実味を帯びているようだ。前出の同省情報通信政策局の担当者も「審議会や研究会のなかで、消費者団体と目される方々から意見を頂いているのは確か」としており、通販番組が多すぎることへの不満が視聴者側から噴出しているのは確かだ。
「視聴者からの指摘は通販番組が多い。人によって見る時間帯が異なるだろうが、テレビのスイッチを入れたときに通販番組にあたることが多いと、通販番組しかやっていない印象を受けてしまう」