大分県教委の汚職事件を受け関心が高まる教職員採用試験について、受験者本人に得点と順位を通知しているのは全国で4県教委だけであることが分かった。TBS系情報番組「みのもんたの朝ズバッ!」が「独自調査」として2008年7月16日朝に報じた。
「朝ズバ」は、各都道府県と17政令指定都市の計64教委に「独自調査」を行った。番組によると、採用試験の得点を本人に公表しているのは26教委で、残り38教委はランクづけのみの公表だった。ただ、得点を公表するのは、「本人から要請があれば」との条件付きが多いようだ。さらに得点を公表している26教委のうち、受験者の順位まで明らかにしているのは富山、滋賀、徳島、沖縄の4県教委だけ。
司会のみのもんたさんは、番組の調査結果について、得点非公表の38教委に対し、「知られたくないのよ。そこにおかしい問題がある」と透明性に疑問を投げかけた。
また、試験の解答の公表については、公表53、非公表11教委。試験の配点の公表については、公表43、非公表21教委だった。もっとも、得点と順位を公表している滋賀県教委が配点の公表については非公表の例として挙がるなど、「透明性」の高さについては1項目だけからは判断できなさそうだ。
番組ではほかに、採用試験の答案の保存期間も尋ねた。「1年」が最も多く47教委。続いて「3年」6教委、「2年」と「5年」がいずれも5教委だった。最長の「10年」と唯一回答したのは、汚職があった当の大分県教委。規定では10年保存をうたいながら、少なくとも直近の数年分については試験翌年3月末に廃棄していたことがすでに報道されている。
文部科学省は7月17日、大分県内で開かれる全国都道府県教委連合会の総会で、採用や昇任などの人事行政の一斉点検を各教委に改めて求める方針だ。