ディー・エヌ・エー(DeNA)畑村匡章・ポータル・コマース事業部モバイルポータル部部長は、携帯電話の総合ポータルサイト「モバゲータウン」の仕掛け人だ。Webの世界で活躍した人をたたえる「Webクリエーション・アウォード」(主催:Web広告研究会)2007年の最高賞「Web人大賞」を受賞した経歴もある畑村氏はJ-CASTニュースのインタビューに応じ、「今後のモバゲー」について語った。
ニュースや検索、まずはそこを強化してきたい
「ヤフーにあってモバゲーにないコンテンツを追加したい」と話すDeNA畑村氏
「モバゲー」は08年4月に、会員数で1000万人を突破。1日の最大ページビューも6億超にまで成長した。それでも満足はしていない。
「携帯電話を開いたら、一番最初にアクセスするところになりたい」
目指すのは、グーグルやヤフーといったポータルサイトだ。ゲームを楽しむ年齢層が広いこともあり、これまで「モバゲー」は無料で遊べるゲームをアピールして、ユーザーをサイトに誘導するかたちを取っていた。しかし、最近では新たな戦略を次々と打ち出している。
「モバゲー」では2008年4月末から、スクウェア・エニックス、タイトー、ハドソンなどのゲーム関連企業と提携して、ゲーム内アイテム課金制度という新しいビジネスモデルを導入している。ゲーム専用の通貨である「モバコイン」を購入し、それぞれのゲーム内で販売されるアイテム(武器や道具など)を購入できるサービスだ。
これまですべてのゲームが無料で遊べるというのがモバゲーの最大の特徴でもあったが、ユーザーが実際にお金を支払ってゲームをより楽しめる、というかたちだ。
畑村氏は「無料でゲームを楽しめるというコンセプトは変わらない」と話す一方で、
「これまではゲームで集客した広告しか収益の軸がなかったが、もう少し別方向を模索していかないといけない」
とゲーム課金による新しいビジネスモデルに期待を寄せる。
新しい試みとしては、自社開発した「検索エンジン」の導入がある。デフォルトの状態で、話題になっているキーワードがあらかじめ表示されるというユニークな検索エンジンだが、利用頻度は今のところ右肩上がりの傾向だ。これも「モバゲー」が「ポータルサイト」化を実現していく上での一つの試みといえる。
「やりたいことはたくさんあるが、ポータルサイトのコンテンツと言えば、ニュースや検索。まずはそこを強化してきたい。あとは、ヤフーさんにあってモバゲーにないコンテンツを追加していきたいと考えている。モバゲーはまだまだ完全なサイトではない」
と畑村氏は意気込んでいる。