「国策融資」から「投資ファンド」へ 政策投資銀行生き残れるか

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「投資業務に独自のノウハウがあるのか」

   しかし、投資業務は外資系などとの競争が激しく、「政投銀に独自のノウハウがあるのか」(大手行幹部)との疑問は根強い。「政策金融の側面がなくなると居場所を失うのでは」との指摘すらある。

   また、これまでは財務省の天下りポストだった政投銀総裁には、元伊藤忠商事社長の室伏稔氏(76)が07年10月に就任した。民間経営の手法を浸透させることが期待されているが、「高齢でどこまで指導力を発揮できるのか」と不安視する向きもある。

   さらに、08年3月期決算ではサブプライムローンに関連した証券化商品などの価格下落で338億円の損失を計上した。最終(当期)利益も前年同期比30%減の526億円にとどまり、民間金融機関としての収益力も問われている。

   政府は政投銀を10月に株式会社化した後、政投銀の株式を順次売却し、最終的には資本金など純資産に見合った1兆9000億円程度の収入を見込んでいる。「火の車」の財政を少しでも潤したい考えだが、政投銀が収益基盤を構築できなければ、株式が狙い通りの額で売却できず、政府のシナリオも崩れかねない。

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