家族会などは盟友の山崎拓氏まで批判
騒ぎを知った「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」の飯塚繁雄代表と「救う会」の藤野義昭会長は7月9日、連名で、加藤紘一氏の発言に抗議する声明を出した。
「5人が北に戻されていれば、『自分の意思で戻った』と言わされたあげく、『拉致問題は解決済み』という北朝鮮側の主張に利用されたであろう。その上、5人はこれまで以上に不自由な監視下に置かれたであろうことは、少しでも『外交感覚』のある人には明らかである」
そのうえで、加藤氏に対し、「被害者や家族の思いや不安をまったく理解しようとしない」と糾弾し、強い憤りを表明している。
さらに、矛先は、加藤氏が顧問をしている「日朝国交正常化推進議員連盟」にまで及んだ。加藤発言について批判がないままなら、山崎拓会長や議連役員・メンバーについても、「日本人の自由と命よりも金正日の意向を重視する加藤氏と同次元に立つものと見なさざるを得ない」というのだ。
家族会などの抗議声明に対し、山形県の加藤氏地元事務所の秘書は、「その件についてのコメントは、ホームページ上にアップすると聞いています」とだけ答えた。
一方、思わぬ余波を受けた形の山崎氏の事務所秘書は、困惑した様子だ。「それは加藤さんが言っている話で、山崎本人に確認しなければ分かりません。うちが言ったわけではないので、うちに聞くのはおかしな話では。議連ではなく、加藤さんに言うべきことだと思います」と話している。