三菱UFJには米地銀の買収を積み重ねる選択肢
3大邦銀では残る三菱東京UFJ銀の「次の一手」に関心が集まる。同行はメリルリンチへの出資をめぐって、みずほと争ったとされ、巻き返しのチャンスをうかがっている。三菱東京UFJ銀の永易克典頭取は今春、報道各社のインタビューで、米欧金融機関への出資について、「サブプライム問題は終息したと思えず、(出資は)慎重に考えないといけない」と語っていたが、水面下では入念に策を練っているようだ。
同行は米欧大手への出資を探る一方、米国の地方銀行の買収も検討している模様だ。同行が80年代に買収した米カリフォルニア州の地銀、ユニオン・バンク・オブ・カリフォルニアは毎年800億円規模の利益を稼ぎ、「邦銀出資の成功モデル」とされる。この手法を生かし、米地銀の買収を積み重ねて収益基盤を構築する選択肢もありそうだ。