タレントの石原良純さん(46)が、テレビ番組の中で、空いている新幹線指定席に子どもを座らせて何が悪いと話して波紋を呼んでいる。JRでは、子どもを座らせる場合は料金負担を、としているからだ。これに対し、良純さんの事務所では、「子どもの指定席券は買った。大げさに言っただけ」と釈明している。
「車掌に注意されマジギレ」
空いた新幹線指定席は、無料では座れない
衝撃的な発言が出たのは、2008年7月7日正午からフジテレビ系で生放送された「笑っていいとも!」のあるコーナーだった。そこでは、「マジギレ」した例をレギュラーらが話すことになり、その一人の石原良純さんは、「マジギレの原因・新幹線で…」と書いたプレートを掲げて、体験を話し始めた。
良純さんは、新幹線に子どもと乗ったとき、空いている指定席を見つけたとしてこう言った。「子ども連れてお金払ってないんだけど、まあ、小さいから、空いているから、子どもこっちへ置いたんですよ」。ところが、その行為が車掌に見つかり、「そこは指定席だから、どけ」などと言われたという。
これに対して、良純さんは、こうかみついた。
「これ、いいと思いません? 空いてんだから。すごく本当にマジなんですけど。だってさ、そしたらだって、席が空いているとき、足をこう掛けたら…」
すると、足を上げる合間に、コーナーの一人から「判断しづらい意見」との声が。直後に突然、CM入りを知らせる音楽が鳴り、良純さんは、「おーい、ちょっとちょっと待ってよ。ちょっとおかしいよ、今のは」と拳を振り上げたが、そのままCMになってしまった。
良純さんの発言は早速、ニュースサイトや2ちゃんねるで話題に。「スタッフがNGと判断しました」「んじゃ空いてたら勝手に座っていいのかい?」といったコメントが書き込まれた。
「子どもの指定席券は買った。大げさに言っただけ」
JR東日本によると、6歳未満の乳幼児は膝の上で抱いたりする場合は無料になる。ただ、乳幼児が1人で指定席などを利用する場合は、子ども料金が必要だ。同社広報部では、「ルールに基づいていますので、切符未購入のお客さまの場合は、お座りいただけません。もちろん車掌が見つければ、注意することになります」と話す。
石原良純さんは、このことをどう考えるのか。
ところが、所属事務所の湘南ブラザースでは、J-CASTニュースの取材に対し、なんと番組発言の事実関係を否定した。
「子どもの指定席券は、買ってありました。小さい子なので抱いたりしながら、その指定席に座らせたということです。車掌に注意されたということもありません。番組では、ちょっと大げさに言ってしまいました。CMは、話が長くなったのでそこで止めただけとのことです」
真相は分からないが、たとえ事務所の言い分が事実だとしても、良純さんは視聴者をミスリードしたことになりそうだ。
ところで、ほかの交通機関でも、空いていても、指定席には座れないのか。
小田急電鉄によると、ロマンスカーの指定席は、未就学児は膝の上なら無料になるものの、座れば基本的に料金を払わなければならない。ただ、注意するかどうかは車掌の判断になるので分からないという。
高速バスのジェイアールバス関東では、同じように無料となる未就学児は、指定席に座れば子ども運賃を支払う必要がある。「見つけたら、状況にもよると思いますが、注意するケース」としている。
一方、空席が利用できるとしているのが、日本航空だ。国内線では、膝の上に抱けば無料になる3歳未満について、広報部では、「確約するものではありませんが、空席があった場合は、配慮でご利用いただくことがあります。ただ、満席でないからといって、『隣の席を空けてほしい』という要望にはお応えしかねます」と話す。ベルト着用サインが点灯しているときは、保護者に抱いてもらうともしている。
空席の扱いについては、交通機関の事情によっても違うようだ。