議決権行使する個人株主が増える シャンシャン株主総会の終焉

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アデランスは「ファンドの意向をくんだ人事」

   これまで、日本型経営の特徴の一つとされる株式持ち合いによる安定株主工作で、経営者は一般株主をほとんど意識しないでやってこられた。しかし、時価会計の導入などによって、金融機関、取引先やグループ企業による強固な株式持ち合いが崩れた結果、「万全の安定株主を築ける持ち合いは難しくなっている」(大手証券)。

   そんな中で、ファンドに「完敗」したのがアデランス。6月30日、岡本孝善社長が特別顧問に退き、完全子会社の早川清社長が新社長に就任し、スティールからも新たに社外取締役を迎える人事案を発表した。「ファンドの意向をくんだ人事」とみられている。

   今年の株主総会は、アデランス以外でファンドが明確に勝利を収めた企業はなかったが、証券業界では、「議決権行使に対する個人株主の意識の高まりもあり、ファンド側が個人株主を取り込めれば、会社側提案が否決されるケースは増えてくる」(証券系シンクタンク)という見方が強まっている。

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