2008年7月4日の東京株式市場の終値は1万3237円89銭で、前日比27円51銭安。12日連続の下落は、とうとう1953年のスターリン・ショック時に並んだ。連日下落する株価に、「1万3000円割れは覚悟」といった声が聞こえてきた中で、ここ数年の「増配」ラッシュもあって、個人投資家は配当にも注目している。
増配を発表した上場企業はすでに245社
54年ぶりに株価続落。まだ下がるのか?
米投資ファンドのスティール・パートナーズが増配の株主提案を「乱発」したのが2007年のこと。大和総研によると、2008年の株主総会は、株主提案自体が30数件から20件弱に減ったのに加えて、投資ファンドによる増配提案は英投資ファンドのチルドレンズ・インベストメント・ファンド(TCI)のJ-POWER、米投資ファンドのブランデス・インベストメント・パートナーズによる日比谷総合設備と小野薬品工業など、わずかだった。
野村証券金融経済研究所によると、今期の増配を発表した上場企業はすでに245社。なかには2年続けて増配する企業もあって、企業は株主要求に応えようと懸命。NTTやJR東日本、三井住友フィナンシャルグループ、任天堂などが「連続増配」した。
ファンドに増配を求められたJ-POWERは年間60円から70円に引き上げたし、小野薬品工業も年間180円が202円になった。どちらも「外資に屈した」などとは言わない。企業側は個人投資家の顔色をも見ながら、やんわり引き上げたというわけだ。