太陽電池発電上向く兆し 住宅向けの補助金制度復活へ

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   頭打ち状態だった国内の太陽光発電市場が再び上向く可能性が出てきた。経済産業省が、住宅向けの太陽光発電を導入するための補助金制度を復活しようと動き出したのだ。地球温暖化対策の一環として、化石燃料を使用しない太陽光発電は重要な手段であり、経産省の動きには歓迎の声が強い。ただ、普及の決め手になる購入者の負担がいかに軽減されるかは未知数でもある。

04年までは日本が世界トップだった

   経産省は、2008年6月24日の総合資源エネルギー調査会の新エネルギー部会で、補助金を導入するなどして、太陽光発電システムを設置する費用を3~5年で半額程度に抑えることなどを盛り込んだ緊急提言案をまとめた。福田康夫首相が提唱した「福田ビジョン」では、太陽光による発電量を2020年までに現状の10倍、30年までには40倍に引き上げる目標を掲げており、緊急提言案はこれに沿った内容だ。

   国内では、住宅向けの太陽光発電の補助金制度は94年に始まった。太陽光発電を購入する人に1キロワット当たり最大90万円を補助するもので、補助金制度を背景に、日本の太陽光発電の累積導入量は04年までは世界トップに立っていた。しかし、補助金制度が05年に終了すると、導入量は伸び悩んだ。太陽光発電システムの購入価格は現在、1戸当たり約230万円とされており、経済的な負担が大きいためだ。業界団体の調べでは、07年度の太陽電池の国内出荷量は前年度比22%減と2割強も落ち込み、減少は2年連続となった。

   一方、欧州では環境問題への関心が高まる中、太陽光発電の活用は近年、急増している。ドイツは、太陽光発電の電力を通常の電力料金の3倍で買い取る制度を04年にスタートし、これを機に太陽光発電の普及が加速。05年の累積導入量では日本を上回り、世界トップになった。

   こうした状況の中、世界的にも高い技術力を誇る国内メーカーも、欧州向けの販売事業を強化するなど、海外シフトを進めており、補助金制度の復活を求める声は強まっていた。

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