高野連の「高圧酸素」自粛 野球部や販売元に困惑広がる

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

「競技力の向上になる可能性が考えられる」

   日本高野連などの決定に対して反発しているのが、販売元だ。

   5割ほどのトップシェアがある高気圧エアチェンバー「オアシスO2」を扱う日本ライトサービスの事業部では、「困惑していますね」と明かす。

「競技力の向上というのは、まったくありません。うちのは、空気に圧力をかけて1.3倍にしているだけです。海抜2000メートルから0メートルに降りてきたときの酸素摂取量の変化しかありません。マッサージと同じ位置づけと思っています」

   事業部の担当者は、酸素濃度が高い医療機器とは違うとして、「ドーピングの定義があいまいなので、明確にしてほしい」と訴える。同社には、ここ数日で、利用者から問い合わせが相次いでいる。高校野球部からは、「大会の何日前までなら大丈夫か」との問い合わせなどが来ているという。担当者は、「うちが答える立場ではない」と困っており、近くJADAなどに照会状を出したいとしている。

   高圧酸素カプセルは、どこまでがドーピングと言えるのか。

   JADAの事務局次長は、「血液中のヘモグロビンと結びつく酸素が増えると、人間の体のエネルギー量が増えます。どのくらい高まるかは分かりませんが、競技力の向上になる可能性が考えられるということです」と説明する。ただ、「高圧」の定義については、「明確になっていませんので、分かりかねます。自粛した方がいいというのは、後から何かあると困るということです」と話している。

   一方、高野連の事務局長は、「私どもとしては、医学的な数値について判断しようがありません。国際的に反ドーピングの方向が出ており、何らかの判断をしなければ加盟校が困ると考えました。何日前までなら大丈夫ということでなく、使用を控えてほしいということです」と話す。将来は、JADAに加盟し、ドーピング検査をすることを検討中としている。

1 2
姉妹サイト