官庁だけにある希望「降格」制度 都庁では課長から主任という例も

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民間企業で社員の希望で降格を認める人事ほとんどない

「特に教頭は初めての管理職で、立場が急に変わる。教員の指導もしなくてはいけないし、保護者にも応対しなくてはいけなくなる」

と話すのは神戸市教育委員会教職員課の担当者。同市では04年に「希望降任制度」を導入し、これまでに校長2人、教頭4人、指導主事1人が自らの希望で降任した。

「今までは、例えば校長先生が病気になると、身を引くしかなかった。一般職員で十分に仕事がやっていけるということであれば、職員の救済になる」(同担当者)

   「希望降任制度」は大阪府枚方市が98年に全国で先駆けて導入。他の自治体がこれに次々と追随した。枚方市では導入以来19人の職員がこの制度を利用した。「管理職である課長ともなれば、重要政策を担当することになり重圧がかかる」「管理職でない方が労働意欲が高まる職員がいるのでは」というのが導入当初の狙い。これまで、年功序列で管理職まで昇進していた人事システムについても、降任制度と同時に昇任試験を導入し、職員の希望に添うかたちにした。

「(民間に比べて)免職が難しいという事情もある。メンタルヘルスの問題は重要で、本人の意志を配慮することで組織全体の活性化にもつながると思う。制度としては評価して頂いている」(同市人事課)

   一方、民間企業で社員の希望で降格を認める人事はほとんどない。ある民間企業の人事担当者も「そんな話は聞いたことがない」と話している。

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