公取処分受けたヤマダ電機 釈明文わずか2行でいいのか

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   ヤマダ電機が、公取委の処分について、ホームページ上で載せた文がわずか2行であったことが話題になっている。立ち入り検査を受けながらも違法行為を続けただけに、その姿勢に疑問も出ている。同社では、処分を「真摯に受け止める」とだけ説明している。

ネット上では、「これは酷い」との声も

ヤマダ電機ホームページ掲載の釈明文
ヤマダ電機ホームページ掲載の釈明文
「当社は、昨年の公正取引委員会の立ち入り調査を踏まえて、コンプライアンス体制の改善構築に努力してまいりましたが、この度の公正取引委員会の排除命令を真摯に受け止めて、業界のリーダーとしてより一層のコンプライアンス体制の強化に努める所存であります」

   家電量販店最大手のヤマダ電機は2008年6月30日、ホームページ上にこのような釈明文を載せた。公正取引委員会が同日、メーカー社員を「ヘルパー」としてただ働きさせたなどとして、独占禁止法違反で排除措置命令を出したことを受けたものだ。ところが、釈明文はこの一文だけ。タイトルの「公正取引委員会からの指導の件」を含めて、どこにもお詫びらしき表現はなかった。

   ネット上では早速、そのことが論議になった。2ちゃんねるでは、「【ヤマダ電機】また公正取引委員会からチェック入ったのでサイトに子供レベル未満の殴り書き」というスレッドまで立って、「これは酷い」「まったくそのつもりがないことを強烈にアピールしてるな」との声さえ出た。

   公取委によると、ヤマダ電機は、年間2兆円近くの売り上げに達する優越的地位を乱用。2005年11月から、同社と子会社8社の延べ361店舗における新規・改装オープンで、取引上の地位が劣っているメーカーの社員延べ約16万6000人を派遣させてただ働きさせた。これは、納入約370社のうち約250社にも達した。新聞各紙によると、この人数は過去最大規模で、家電への排除措置命令は初という。

「真摯に受け止めているということです」

   これを受けて、公取委では、07年5月10日に立ち入り検査した。ところが、同社は、ただ働きを止めて、代わりに、メーカー社員らに日当5000円、弁当代700円を支給。これに対し、公取委では、「メーカーレベルの賃金、交通・宿泊費が支払われていない。安過ぎるので、違反が続いている」と判断し、今回の処分をした。ヤマダ電機は07年11月まで、展示処分品のパソコンなどの初期化作業も違法にやらせていたという。

   立ち入り検査後も違法行為をしていただけに、ヤマダ電機を見る公取委の目は厳しい。公取委第一審査の担当者は、わずか2行のホームページ釈明文について、「処分に従って、速やかに報告書提出を」とだけ述べたものの、「コンプライアンスが失われていたからこそ、こうした問題が起きた。よりコンプライアンスを強化してほしい」と苦言を呈した。

   ヤマダ電機は以前、マスコミに対する強い姿勢でも話題になった。読売新聞が2007年1月、同社の職安法違反疑惑を連載したときは、ホームページに3ページにもわたって書き、強硬に抗議した。また、「日経ビジネス」07年8月6-13日合併号で同社を特集した日経BP社に対しては、足を運んでまで抗議。ヤマダ電機によると、その後、名誉毀損による損害賠償を求めて東京地裁に訴訟を起こし、08年6月5日に和解した。

   ヤマダ電機が今回、釈明文を2行で済ませたのは、何か強い不満があってのことだろうか。コンプライアンス体制強化の経緯を含めて、J-CASTニュースが広報室に取材すると、「コメントとしては、ホームページに載っていることがすべてです。細かいことは、個別にコメントしていません」と答えた。

   さらに、お詫びしないことや不満があるかについて聞いても、「そういうわけでなく、真摯に受け止めているということです」と繰り返した。

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