5年での固定金利型などは急に負担増
住宅ローン金利引き上げの影響について、みずほ銀行は「低金利が長く続いたことで固定金利型の利用が伸びているが、金利が低い変動型の人気は根強い」と、金利が据え置かれた変動金利型に流れると予測している。
変動金利型は年2回適用金利を見直し、金利上昇(下降)を自動的に反映できるので、銀行にとってもリスクの小さい、メリットのある商品。長期固定型の金利が先行して上がることで、おのずと変動金利型に利用者の目が向くというわけだ。
金利の引き上げで負担が増すのが現在、3年とか5年での固定金利型を利用している人。たとえば、5年前に年2%の金利で固定型住宅ローンを借りていた人が、7月に期限を迎えた場合、同じ期間5年で継続して借りると金利は約年4%になる。もちろん、元利金の残高と返済期間によって返済負担は変わるが、単純に金利負担は2倍に。金利の見直しを繰り返して、ジワジワ上がる変動金利型とちがって、負担が一気に増えることになる。
利用者のこうした負担増に、みずほ銀行は「利用者の生活が急に苦しくなることがないように、激変緩和措置をとっている」と説明する。たとえば、みずほ銀行では金利優遇キャンペーン中に固定金利型住宅ローンを借りた場合、当初の期間が到来しても継続して借りる場合は急に適用金利が上がらないように2年固定型で1%、5年固定型で0.8%、10年固定型で0.4%の金利を店頭表示金利から優遇する制度を用意している。三菱東京UFJ銀行などでも同じような手当てをしている。
メガバンクは、キャンペーン金利など優遇制度を適用すれば、「少なくとも金利の上昇分は吸収できる」と口を揃え、またある関係者は「住宅ローンは競争が激しくなっていて、金利優遇キャンペーンをはじめ、絶えず需要を掘り起こしている。とにかく獲得が先決だ」と、まだ借り手優位を強調する。