「処分が甘い」――学校に寄せられる声は厳しい
大聖堂には、各国の言葉でびっしりと落書きされた壁や柱がある。ニックネームだけのものや、相合い傘を描いたものなど様々だ。共同通信の08年6月29日付記事によると、ほとんどがイタリア語、英語、スペイン語で書かれ、日本語は全体の1割ほどだった。
これを多いとみるか、少ないとみるか。テレビのワイドショーでは30日、ネット上の「犯人捜し」に対し、異論も相次いだ。日本テレビ系の「スッキリ!!」では、日本語1割の話題が出た後、テリー伊藤さんが「(解任は)ちょっとやり過ぎの気がしますよ」と疑問を呈した。フジテレビ系の「とくダネ!」では、「落書きは問題だけど、魔女狩りみたいなのは違うのでは?」とピーコさん。一方、文芸評論家の福田和也さんは、「遺産の価値と学生を指導する立場からすると、社会的な制裁も無理ないかな」と述べた。
学校に寄せられる声は厳しい。学生6人が落書きに関わっていた岐阜市立女子短大によると、メールや電話などで1000件近い意見が寄せられた。厳重注意したことについて、「処分が甘い」「停学でもいいのではないか」との声が多かったという。これに対し、同大では、学生が2週間自宅謹慎し、清掃などのボランティアを予定していると理解を求める。当初、学生を現地に行かせるかは分からないとしていたが、現在は、教員同伴で学生の代表に行ってもらう方針であることを明らかにした。
一方、学生3人が落書きしていた京都産業大学では、27日に2週間の停学処分にした。処分だけみると岐阜の短大より重いものの、そんな同大にも、数百件の意見が相次いだ。それも、「停学では軽過ぎる」「退学にしろ」と、大学の対応について叱る声が多数だったというのだ。これに対して、同大では、学生らに対し、カウンセラーによる再発防止のための再教育を行うほか、現地へ行ってもらうことを検討している。