下着が見えるのではないかと周りがヒヤヒヤするくらいに短かった女子高校生のスカート丈に変化が見える。東京・渋谷では短すぎるスカートは「下品」といわれ、最近では数センチ長めにして、清楚にキメるのが主流のようだ。
ベストセラー「女性の品格」も影響?
ひらミニでかわいく脚見せ 「REVROSSA CLARITY」
女子高生のスカート丈は本当に長くなっているのだろうか。女子高生が主な読者という雑誌「ポップティーン」の編集者はこう説明する。
「10センチとまではいかないが、下着が見えそうなくらいに短いスカートを履いている女子高生は渋谷で見なくなった」
半年ほど前から短すぎるスカートは、「下品」「イケてない」という意識に変わってきた。編集者によると、肌をあまり露出しない「清楚」なファッションが20~30歳代の女性の間で人気となり、女子高生にも影響したのだという。
そもそも、こうした「お嬢様ファッション」が流行るきっかけとなったのは、昭和女子大学学長・坂東眞理子氏が書いて07年にベストセラーとなった「女性の品格」。この本の影響でOLを中心に清楚な着こなしが広まったが、08年にはこれが女子高生にも波及したと見られている。
制服のスカート丈が長くなるとともに、私服のトレンドも変化している。「渋谷109」内でギャル社長こと藤田志穂さんが経営するギャルショップ「REVROSSA CLARITY」(シホ有限会社G-Revo)には、女子高生の客も訪れる。
私服はロングスカートと「ひらミニ」がトレンド
08年夏のトレンドはロング 「REVROSSA CLARITY」
そんな彼女らにも人気なのがロングスカートだという。ギャルファッションを牽引するモデルの間で、あまり素肌を露出しないファッションが08年春から流行り、ロングスカートブームに火がついた。また、店ではミニスカートも売っているが、従来のようなタイトなセクシー系ではなく、フリルがついたり、ふわっとした「ひらミニ」が人気だ。
もともと、ひらミニは10歳代よりも20歳代の大学生に人気のアイテムだった。シホ有限会社G-Revoの広報担当者は、
「『JJ』『ViVi』『CanCam』といったお姉さん系のファッション誌を読む女子高生も増えている」
と話している。事実、「JJ」8月号(光文社)では大人な「ミニGIRL」と題した特集を組んでいて、「ひらミニ」が取り上げられている。
ところで、女子高生の間で清楚なファッションが流行っている現象は、東京限定なのだろうか。08年2月14日付け「L25.jp」には、地域別に見る制服のスカート丈に関する記事が載っている。東京では極端なミニ丈は流行遅れだが、新潟や名古屋をはじめとする地方都市ではそうでもないようで、東京よりもさらに短いという。一方、お嬢様学校が多い兵庫県では膝下丈やワンピースがポピュラーだと紹介されている。