「採血器」使い回し18万人 自治体、メーカーのずさんさが浮き彫りに

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自治体が医療機関に通知していなかった例も

   その一方で、「使い回し」が56か所の医療機関であり、その対象者が1350人超だった島根県では、

「厚労省から自治体に通達があったのにも関わらず、医療機関に通知していなかった」(健康福祉部)

といったこともあった。また、鳥取市中央保健センターはJ-CASTニュースに対し、「説明書を確認して使わなかった」と話している。同市が主催する健康イベントや「糖尿病教室」で採血器具の使い回しがあり、対象者は1000以上に上っている。自治体やメーカーのずさんさが今回の事件につながったようだ。

   しかし、医療現場の一部では医療サービスの一環としてこの器具の「使い回し」が行われていたという実情もある。たとえば、島根県のある病院では糖尿病患者が退院後の検査のために家庭で使える採血器具を販売。採血器具の購入の前に、病院側がサービスの一環として採血器具のサンプルを用意して、患者に試してもらっていた。しかし、この採血器具は複数人での使用が禁止されていており、結果的に「サンプル」が使い回されていた。

「健康イベントや病院のサービスなど善意でやっていたものが、結果的にこのようになってしまった。こういっては何だが、(現場の人については)気の毒だ」

   ある自治体の関係者はこのように明かしている。

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