消費者の車離れがさらに強まることが心配
国土交通省などの調査では、07年度末の自動車保有台数(軽自動車や二輪車含む)は前年度末比0.2%減の7908万762台で、統計を取り始めた1946年度以来、初めて減少に転じた。高度成長期には2ケタ増の年もあるなど、戦後の経済成長とともに一貫して増加の道をたどってきた自動車保有台数。しかし、ここ数年は伸び悩みが顕著だった。人口減により国内市場は縮小しているうえ、携帯電話やパソコンの普及により若者が以前ほど車に関心をもたなくなっているのが要因だ。
こうしたなか、自動車メーカーが強引に車の値上げに踏み切れば、消費者の車離れはさらに強まる可能性は少なくない。このため、各社は車の高級化などとセットで従来からの価格体系を見直し、割安感を高める工夫をせざるを得ない。各社は「単なる値上げではなく、十分にお買い得感はある」と胸をはってみせるが、その心境と将来の展望は複雑だ。