「注意書きがあったのに恥ずかしい」
落書き問題では、人気音楽ユニットのAAAが07年7月25日付ブログ日記で、米国ボルチモアの観光地の岩にスプレーで落書きをしたと明かして騒ぎになった。また、名古屋大学のサークルが同年9月8日、国立公園の鳥取砂丘にサークル名の一部を描いた巨大な落書きで騒ぎになったことがあり、若い世代による心ない行為が目立っている。
岐阜市立女子短大生の行為は、こうした意味からもネット上で話題になっている。ブログ「☆ゲイと負け犬のセレブな日常☆」の08年6月18日付日記では、同大に告発メールを送ったと明かすとともに、「落書きが社会的にもまだ許される傾向があった何十年も前の話ならいざしらず、今年の2月という日付入り」「そこら辺に落書きするな!!って注意書きがあったのに恥ずかしい・・・」と指摘している。
イタリアでは、日本人による落書きは多いのだろうか。
在日イタリア大使館の関係者は、「そんなこと分からないですよ」としながらも、「大聖堂は、誰も彼もが落書きしているところでは決してありません。落書きをしないというのは、常識ですよ」とあきれた様子で話した。一方、世界遺産条約に関わっている外務省国際文化協力室では、「そういう情報は入ってきていません。条約上、国は世界遺産を保護するため、落書き防止の義務がありますが、観光と遺産保護との両立は、どこも苦労しているようです」と話す。
岐阜市立女子短大によると、落書き部分の修復について、大聖堂側は、「こちらに任せてほしい。謝罪で来なくてよい」と話したという。しかし、同大では、独自に謝罪や修復協議のため7月中には訪問したい、としている。
落書きした学生は、「歴史を理解していなかった」などと大聖堂に手紙で謝罪した。これに対し、同大では、「現地に学生を行かせるかは分かりませんが、国内の世界遺産を見てもらうなどして教育したい」と話している。