73歳筒井康隆ブログ開始 偽文士演じてみたくて……

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「パロディの得意な作家としての発想なのだ」

   そんな筒井さんが2008年6月24日、自身のコンテンツサイト「笑犬楼大通り」をオープン。サイト内では、ブログ『偽文士日碌(にちろく)』を開始した。『偽文士日碌』は、通常のブログの横書きとは異なる、縦書きがポイントだ。Webページ自体が本の体裁を模した仕様になっていて、ページのすみをクリックすると、本のページがめくれるような仕組みになっている。

   第一回となる「はじめに」と題した記事には、このブログタイトルの由来が語られている。「文士のパロディをやってみよう」という発想が自分にはあるのだと筒井さんは説明する。ブログにはこう綴っている。

「いわゆる文士という気骨のある人物は現代ではパロディでしか存在し得ないから、まさにそれを演じてやろうというのが、一方では役者でもある、パロディの得意な作家としての発想なのだ」

   ふだんの筒井さんも文士を「演じて」いるようだ。家にいるときや近所を出かけるときは、鼻下に髭をたくわえ、唐桟の着物を着流しているという。このスタイルについて、「威張ったり我儘を言ったり酔っぱらったりしていてもさほど不自然には思われない」と気に入っている。ギャルや商店街の人たちが、なんとなく愛想よくしてくれることも心地よいというようだ。

   そういうわけで、「このままのスタイルで通すつもりであるから、この日記のタイトルも表記の如きものにしたのである」と説明している。ちなみに、「日碌」の「碌」の字は「碌でもない」の「碌」だと付け加えている。

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