毎日の北海道夕刊打ち切りも用紙値上げの影響?
さらに、王子製紙によると「値上げ幅は地方紙も全国紙も同じ」とのことで、地方紙のみならず、全国紙にもコストアップの影響が及ぶのは必至だ。
その一例として、週刊新潮(08年5月29日号)は、日本新聞協会の会長でもある毎日新聞の北村正任社長が、朝日新聞と読売新聞に対して値上げを要請したものの、『いま、値上げをすれば読者が離れるだけ』と断られた、などと報じている。もっとも、毎日新聞側は、この記事を「明らかな虚偽」として新潮社に抗議文を送っており、真偽は不明だ。
そうは言っても、毎日新聞は08年8月末で、北海道での夕刊発行を打ち切ることを明らかにしており、「用紙の値上がりが引き金になったのでは」との見方が有力だ。
広告収入の減少や製作コストの上昇は山形新聞や毎日新聞に限った話ではない。例えば、電通が08年2月に発表した「2007年日本の広告費」を見ただけでも、新聞広告費は1年間で5.2%も落ち込んでいることが分かる。しかも、用紙代はさらに上がる可能性もあり、どのタイミングで収入減少分とコストアップ分を購読料に転嫁するか、各社の我慢比べが続きそうだ。