「長い目で見れば、高い買い物ではない」
ランバクシーは、高コレステロール血症や感染症などの分野の後発薬が主力商品で、世界約50カ国で事業展開している。第一三共は、ランバクシーを傘下に収めることで、第一三共にとっては未知の分野であり、成長が期待される後発薬市場の参入がかなう。最大で5000億円にものぼる買収になるが、「長い目で見れば、高い買い物ではない」(製薬関係者)との見方は多い。
第一三共は5月、人の免疫システムを活用する「抗体医薬」を専門とする独バイオ医薬会社、U3(ユースリー)ファーマを、約243億円で買収すると発表した。がん治療の新薬開発を強化する狙いで、成長が見込まれる分野への戦略的なM&Aが目立つ。
こうした動きは他の国内製薬会社も同じで、武田のミレニアム買収をはじめ、エーザイががん治療などに強みを持つ米製薬会社、MGIファーマを1月に3900億円で買収するなど、動きは激しい。ただ、「海外の企業は文化の違いもある。買収しただけでは成功とはいえず、買収後にいかにうまく戦略をたてて事業を進めていくかがカギだ」(国内製薬会社)と慎重な見方も強い。