台湾の遊漁船と日本の巡視船が尖閣諸島沖で衝突した事故を巡り、台湾や中国で日本に対する激しい批判がインターネット上で展開されている。
「何十年も台湾人は日本人に見くびられている」
台湾のネット上でも日本批判が展開されている
2008年6月10日に台湾の遊漁船と日本の巡視船が尖閣諸島沖で衝突、台湾の遊漁船が沈没したことが発端。第11管区海上保安本部は、巡視船の堤信行船長を業務上過失往来危険と業務上過失傷害の疑いで、台湾の遊漁船の何鴻義船長を業務上過失往来危険の疑いで書類送検した。これを不服とした台湾側は、台北駐日経済文化代表処の代表を召還(この代表は与党国民党の立法委員から「売国奴」と批判されたことを受け入れられないとして6月16日に辞意を表明)。さらに6月12日には、台湾総統府が日本政府に対し抗議を表明し、のちに日本政府に謝罪を要求した。
これに加えて、6月16日早朝には、台湾の抗議船と巡視船が尖閣諸島魚釣島西南の領海内へ侵入。同日に町村信孝官房長官が「遺憾の意」を述べるなど、強硬な姿勢をとる台湾と日本の間で緊張した状態が続いている。
尖閣諸島を巡っては中国と台湾が領有権を主張している。そのせいもあってか親日的と言われていた台湾でもネット上では日本批判が相次いでいる。これらの事件が報道されてからというもの、
「戦争したくないなら、台湾海峡を封鎖して、日本船が出入りすることを拒否するべきだ」
「日本は全世界を独占するつもりなのか」
「何十年も台湾人は日本人に見くびられている」
といったコメントがニュース記事のコメント欄に相次いで投稿された。
08年6月16日には馬英九総統がこの問題について「平和的解決」を指示したと報道され、騒ぎが収まるかと思われたが、日本批判は未だに続いている。