岩手・宮城内陸地震を予測? 「大気イオン濃度」とは何か

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地殻に圧力かかり、亀裂が入って、空気中にラドンが放出?

   弘原海氏が「出ている」というのは、大気中の「プラスイオン」のこと。通常は1ミリリットルあたり数千個程度ある。同氏によれば、地震前に地殻に圧力がかかり、地殻に微細な亀裂が入って、空気中にラドンが放出される。そのラドンが大気と接触することでプラスイオンとして地表に落ちてくる、というのである。その後も地殻に圧力がかかり続けて地震が発生するため、先行して発生するこの「プラスイオン」の濃度の急上昇で地震の予兆が捉えられるという理屈だ。

   同研究会はこれまでに、新潟中越沖地震や5月8日に発生した茨城沖での地震などで、地震の予兆と見られる「イオン濃度」の変化を捉えたとしている。

   しかし、「関東地方に地震が来る可能性がある」という指摘と今回の岩手・宮城内陸地震は地理的には隔たりがある。それはなぜなのか。

「測定器が東北に1台くらいなければやはり、東北地方に来るとは言えません。東北大学に測定器を置くようにお願いしているのですが文科省の理解が得られず置けていないんです。東北についてはどうしても弱いというということになる。データがそろえば思い切った予測ができるのですが」

   今回の場合、大きな地震であるため関東地方にまでも地殻変動の影響があり、そのため関東地方でもイオン濃度の異常が見られた、という説明だ。「実績を積んで、皆さんにその信憑性を示したい」と考えている。一方で、「イオン濃度」と地震の関連性について、学会からは「信憑性が低い」といった指摘もあるという。

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