動画共有サイトには多くのユニークな動画が投稿されるが、今度はポップコーンをめぐる動画が注目を集めている。机の上に置いたトウモロコシの横でケータイを鳴らすと粒が弾けてポップコーンができる、という内容なのだが、にわかには信じがたい光景に、ネット上では「電磁波?」「電子レンジ?」などと大量のコメントがつき、騒然としている。
ケータイ着信数秒後に粒が「ポン!」と弾ける
動画の「タネ明かし」に関心が集まっている
話題となっている動画は、2008年5月末から6月上旬にかけて、相次いでアップロードされた。いずれも長さは1分未満で、4人程度の男女がテーブルを囲んでいるというもの。テーブルの中心にはトウモロコシの粒が何粒か置かれ、その周りに携帯電話3~4台を並べる。ケータイがいっせいに着信すると、数秒後に粒が「ポン!」という音とともに弾けてポップコーンができる、という内容だ。
複数の異なるグループが動画を作成した模様で、英語版はもちろん、日本語版、フランス語版など、複数のバージョンが確認されている。「ケータイが鳴るとトウモロコシが弾ける」という突拍子もない内容に対する反響は大きく、いずれの動画も数十万単位、多いものでは160万回以上再生されている。「ユーチューブ」ではコメントが1000以上ついている動画もあり、「電磁波の仕業なのでは」などと指摘する声も多い。
ポップコーンは皮が固い「ポップ種(爆裂種)」から作られる。鍋などで粒を熱すると、内部の水分が蒸発して水蒸気になる。水蒸気になると体積は大幅に増えるが、皮が固いため水蒸気の行き場がなくなり、その結果皮が弾ける、という仕組みだ。なお、普段ゆでたり焼いたりして食べる「スイート種(甘味種)」は、皮が柔らかいため、熱して水蒸気が膨張しても皮が割れて水分が外に逃げてしまうため、弾けることはない。
ネット上では「手品」のタネ明かし合戦始まる
そう考えると、ケータイが着信して数秒後に破裂、という現象はにわかには信じがたいし、実際にJ-CASTニュース編集部でも実験してみたが、何の変化も確認できなかった。結局はこの動画は、「手品のようなもの」ということのようだ。
ネット上ではすでにタネ明かしについての関心が高まっており、要約すると
「粒をあらかじめ熱して破裂寸前の状態にした上で撮影に臨み、ケータイで振動を加えて破裂させたのでは」
「実はテーブルの下にはバーナーが仕込んであって、下からあぶっているのでは」
といった予想合戦が繰り広げられている。