書き込み3000回秋葉原殺人犯 「ケータイ依存症」になった理由

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反応があまりなかったため、だんだん過激になっていく

   携帯電話掲示板サイトについて「2ちゃんねるの『ロビー板』を彷彿とさせる」と話すのはITジャーナリストの井上トシユキさん。「ロビー板」とは「2ちゃんねる」のなかでも割と穏やかな部類に入るとされており、「誹謗中傷から逃れて、仲間同士でコミュニケーションするために(携帯電話の)掲示板サイトへ流れ着くという傾向がある」と指摘する。

   実際、加藤容疑者のように携帯掲示板を自分で作成するのは非常に簡単で、サイトにメールアドレスを送り、パスワードを設定すれば、無料でかつ簡単に自分の掲示板が作成できる。「レンタル掲示板」と呼ばれるこういったサービスは2002年頃から出現し始めた模様で、現在では無数の「レンタル掲示板サービス」が存在している。

   一方、加藤容疑者が頻繁に書き込む「携帯依存」について「珍しいと思う」と話すのは、「ケータイ世界の子どもたち」(講談社現代新書)などの著書がある、千葉大学教育学部の藤川大祐准教授だ。

「若い世代がみんな依存的になっている訳ではないと思うが、彼(加藤容疑者)の場合は孤独感から依存的に書き込んでいたのではないでしょうか。自分の痛みを分かってほしいという書き込みが、反応があまりなかったことから、だんだん過激になっているような印象を持ちます」

   実際、掲示板では6月に入ってから明確に殺意を表明するような書き込みが目立つようになる。どうやら「携帯依存」と呼ばれる若年世代の中でも、重度の「携帯依存症」だったということになりそうだ。

「携帯電話の掲示板サイトはブログやプロフに比べればあまりメジャーではない。ただ、マイナーな感じがいいという人もいるんじゃないでしょうか。内輪の方が自分のことを分かってもらえそう、そんな風に思うということも可能性としてはあると思います」

加藤容疑者が携帯電話の掲示板サイトにたどり着いた理由もここにあるのかもしれない。

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