予約殺到スピード社水着 一般人が使いこなせるのか

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   英国スピード社の競泳用水着に、デパートなどで予約注文が相次いでいる。北島康介選手の世界記録などに刺激され、試合で勝ちたいと購入を希望するようだ。ただ、一般の人でも、効果が出るほど使いこなせるものなのか。

北島選手が着たロングスパッツ4万8300円が人気

ゴールドウインのスピード社製品サイト
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「店頭にレーザーレーサーのサンプルが置いてあって、通ったお客さまが『これか!』と触っていくんですよ」

   その先行予約を関西の3店舗で受け付けているスポーツ館ミツハシ京都本部の担当者は、こう話す。レーザーレーサーについては、2008年2月の発表以来、世界記録が相次ぎ、日本でも16の日本記録が出たことは記憶に新しい。日本水連は北京五輪で選手の使用を認め、その性能が「お墨付き」になった。この効果か、09年1月にも予定されている一般販売を前に、各店でここ1週間、問い合わせが相次いでいるという。

「北島選手が着ていた4万8300円のロングスパッツのものが一番人気でしたね。限定数量しか入ってきませんので、メンズはもう売れ切れで、レディースしかない状況です」

   同様に、都内などの3店で先行予約を受け付けている小田急百貨店でも、問い合わせや予約が相次いでいる。多いときで一日50件もの電話があるという。同社の広報担当者は、「予想を上回る反響です」と話す。

   レーザーレーサーには、2万9400円のメンズ半ズボンから6万9300円の肩まであるロングタイプまで計6種類ある。うち、小田急でも、一番人気はメンズのロングスパッツとか。一部商品は、予約受け付けができなくなった。

   さらに、レーザーレーサー効果で、スピード社製の一般用水着も売れている。08年3~5月は、前年同期より20%も売り上げが伸びた。

   もともと競泳用水着とあって、デパートなどでも、レーザーレーサーを予約するのは大会などに出ている人が中心だ。販売価格も、一般用水着の倍以上もするという。ただ、一般の人でも使いこなせるものなのだろうか。

着るのに15分、脱ぐのにはそれ以上の時間

   ある販売店の担当者は、「フルスーツは、着にくいようですね。着るのに時間がかかって、なかなか一人でははけないそうです」と明かす。

   さらに、素材の薄さも指摘する。「透けて見えるぐらいの部分があり、爪を立てたりすると、破けてしまいます。急いで着て、破けた選手もいました。泳いでいるときに破れることはないですが、何かに引っかけたりすると、破けるでしょうね」。

   読売新聞の6月9日付記事でも、選手たちの同様な声を紹介している。特徴の一つは、体を強く締め付けるほどのタイトな作りだという。「着るのに15分、脱ぐのにはそれ以上の時間がかかり、『それだけで疲れてしまった』」とある選手。また、触った取材記者は、「驚くほどの薄さで、その感触は水着というよりストッキングかタイツのよう」と書いていた。ただ、泳ぐときは「水の中を流れるように進む感じがする」のだという。

   ゴールドウインのスピード事業部では、レーザーレーサーを一般の人が使いこなせるかどうかについて、「着脱に慣れてくれば、問題なくなります」と説明する。

   薄い素材については、「機能を出すための特性上、使いました。でも、従来の競泳用水着でも、爪で引っかけますと、同じように破れます」と話す。着脱しやすいように専用手袋が付いているといい、「着るときにつまんで上げるのに、滑りにくく、爪も当たらないようにしました」。しかし、慣れてくれば、手袋がなくても大丈夫だという。

   一般の人でも速く泳げる効果があるかについては、「泳ぐときに水の抵抗を抑えるように作ってあるので、抵抗減の効果はあると思います」と自信を示す。着用した選手らは「体が浮く感じがした」と口をそろえているが、同事業部では、「軽くて水を吸収しない素材を使っているので、浮くように受け止められたのでしょう。決して浮力をつけているわけではありません」としている。

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