株式市場も好感、外国人投資家への印象プラスに
日本企業の海外進出、なかでもBRICsなどの新興国市場への進出は著しく、自動車や鉄鋼をはじめ上場する製造業の売上高に占める海外比率は50%に迫っている。つまり、海外でのプレゼンスを高めることが日本企業の業績アップに直結するといえる。
情報開示、IR説明会といった投資家へも、会社の状況を適時に正しく伝える必要がある。海外投資家は企業の業績はもちろん、労働問題や環境問題、社会貢献などにもうるさい。英語力が必要なのは当たり前だが、情報開示の場でニュアンスを伝えたり、感じとったりするとなると、「相当な海外経験がいるし、常に英語にふれていないとあやしくなる」(証券アナリスト)というから、経営トップ自らが英語で説明できることが投資家への印象に大きなプラスになる可能性はある。
そもそも、いまの日本の株式市場は外国人投資家の売買しだいで一喜一憂しているのだから、外国人にうまく伝わることが大事であることは間違いない。
エース証券のリサーチ本部の坪内建氏は、「グローバル経済と株主資本主義が進展する限り、地球規模で最適の社長を選ぶトレンドは続きそう」と指摘。いまの社長の使命のひとつが、株式時価総額の極大化であり、その目的達成のためには、「国籍や出自は関係なく、能力が最も大事になる」からだ。
日本板硝子の6月10日の株価は終値で503円。チェンバース氏の社長内定が取締役会で決まった4月23日と比べて82円上昇していて、株価からも「外国人社長」が好意的に受け止められているのがわかる。