日本陸連は「根拠のはっきりしない情報先行を懸念」
ただし、昆明での合宿で原因不明の異常が出た女子陸上選手は絹川選手だけではない。マラソンの高橋尚子選手や野口みずき選手もその一人なのだ。高橋選手は朝日新聞の08年4月1日付けのインタビューで、08年3月9日の「名古屋国際」は27位と惨敗したことに関して、こんなことを話している。
「いま思うと、昆明で体調を崩したことが体の奥底に残っていたのかも。初めての昆明合宿で1カ月を超えたあたりから体調が悪くなった。下痢などが続くと、足がつったこともありました」
野口選手はというと、
「高地合宿先の中国・昆明で体調を崩し、(08年3月)6日に帰国していたことがわかった。合宿は9日までの予定だったが、先月昆明に入ってから発疹などの症状が出て、体のだるさを訴えたため、帰国を早めた」(読売新聞08年3月9日付け)
など、08年は昆明でのトラブルが相次いで起こっているのだ。野口選手が所属するシスメックス陸上部はJ-CASTニュースの取材に対し、
「体調を崩した原因はよくわからない」
と話している。
こうした選手の昆明に関わる様々な原因不明の体調不良について、日本陸上競技連盟はJ-CASTニュースに対し、
「未知のウィルスといった、根拠のはっきりしない情報が先行していることを懸念している。これまでも多くの選手が昆明で練習をしてきたが、こんな話は聞いたことがない。国立スポーツ科学センター(JISS)など、複数の検査機関を経た後で結論を出すべきだ」
と話している。日本陸連は絹川選手にJISSで検査を受け直すことを提案することも考えているという。