大阪府の橋下徹知事が提唱する財政再建案をめぐって対立が広がるなか、思わぬ所でも「対立構図」が浮き彫りになっている。大阪府職員を名乗る「市民記者」が「大型プロジェクトのつけを職員に回すな」などとして人件費削減に反対する論陣を張ったところ、「恵まれている」「そんなに嫌なら民間でやってみろ」といった反発の声が殺到しているのだ。
「大型プロジェクト不振のつけ」と不満ぶちまける
橋下知事の支持率は高い
橋下知事就任以来の懸案だった財政再建案の最終案がまとまり、2008年6月5日、発表された。自身の「3割カット」を筆頭に、人件費を345億円削減(全職員では4~18%減額)するほか、青少年会館など6施設を廃止。上方演芸資料館(ワッハ上方)は移転する一方で、大相撲春場所で利用される体育会館は、存続することになった。
この最終案を実際に実行するまでは紆余曲折がありそうだが、この最終案が発表される前後で、ネット上では、思わぬ「場外乱闘」が起きていた。発端は、「市民記者」によるニュースサイト「JANJAN」に、08年6月4日に掲載された記事だ。
記事によると、記事は大阪府の中学校で勤務する公務員が執筆したものとみられ、
「知事が145万円も給料もらっているのと大きく違います。手取り、34.5万円ほどの給料で家族を養っている私たちが、一体どれだけ贅沢なことができると思ってはるのですか」
と、待遇への不満をぶちまける一方、
「大型プロジェクト不振のつけを人件費で解消しようなんて方向違いです」
と、人件費削減反対を訴えた。
これに対して、記事の内容に反発する声が殺到したのだ。