漫画の主人公・島耕作の社長就任を朝日新聞や日経新聞といった全国紙が報じ、出身地の岩国市ではお祝いの横断幕まで登場した。週刊誌では実在する人間のように扱われ、新社長として麻生太郎元外相と対談した。ラジオDJにも初挑戦する。なぜこれほどまでモテるのか。
出身地の岩国では駅前に「祝 社長就任」の横断幕
社長に就任した島耕作氏。週刊朝日では麻生太郎氏と対談も
「家電大手の初芝電産は『初芝・五洋ホールディングス』初代社長に、初芝電産の島耕作専務(60)を起用する方針を1日までに固めた」
朝日新聞は2008年4月1日付けでこんなスクープを放った。記事では、日本一有名なサラリーマンがついに経営トップに就くと説明、島社長のカラー写真も付いていた。
島耕作は、講談社の漫画週刊誌「モーニング」で連載している「島耕作」シリーズの主人公。1983年から連載が始まり、単行本は合計3000万部以上も売れ、映画化もされた。どちらかといえばアウトローな主人公が、課長から部長、取締役と出世し、恋愛や不倫を織り交ぜた多彩なエピソードを展開する。「団塊の世代の希望の星」といった表現もされてきた。
島は出身が山口県岩国市。作者の弘兼憲史さんと同じだ。そのせいもあって、岩国市交通局は08年5月29日、JR岩国駅前に「祝 初芝五洋ホールディングス 社長就任」と書いた8mの横断幕を飾った。5年前から走らせている「島耕作バス」にも、社長就任を知らせる幕を貼り、市内を08年6月下旬まで巡らせている。同市交通局はバスを走らせた5年前に「いつか社長になれればいいですね」とマスコミに話していて、願いがかなった今回の社長就任は感無量だとし、
「地元出身の全国区の有名人。社長になれてよかった、という声がたくさん聞かれます」
とJ-CASTニュースの取材に話した。