「環境」だと、企業も広告出しやすい?
「オルタナ」の森摂編集長は、「環境雑誌ではない」と強調する。「20世紀の企業が売り上げや経常利益といった経営指標を重視してきたとしたら、21世紀の企業はそれプラス、環境や社会貢献、消費者の健康や従業員にやさしい経営といった新たな価値観が大切になる。だから、『オルタナ』は環境問題や社会的責任(CSR)にフォーカスしたビジネス誌なんです」と説明する。環境雑誌が取り上げがちなロハスのようなライフスタイルを提案する企画とは一線を画す。
環境ビジネス誌の読者は、30歳代以上のビジネスマンが多い。しかし、男性は若干多い程度で、女性の読者もほぼ半数を占める。ある環境雑誌によると、「大手企業や研究所などに勤める人が結構いて、年収ベースでも800万~1000万円の人が3割くらい」という。
新聞・雑誌の広告収入が下降線をたどるなかで、環境ビジネス誌は広告も集まりやすいといわれる。企業には、広告掲載を通じて「環境問題に熱心」「環境にやさしい」企業をアピールする狙いがあって、環境ビジネス誌への露出は、「企業の環境問題やCSRの考え方を伝えやすい」(出版科学研究所)という。さらに、国や環境省などが開く環境関連イベントや、企業のWEBとも連動しやすいことがあるようだ。
前出の「日経エコロジー」、神保編集長は「企業は最近、主に一般消費者向けの環境広告やキャンペーンに積極的に取り組んでいます。ただ、弊誌はあくまで専門誌ですので、一般消費者というよりも、一般企業を顧客とする廃棄物処理業のような企業広告が若干増えています」と話す。
企業の後押しも手伝って、当面は「環境ビジネス誌」ブームが続く気配だ。