日本の上場企業の経営者は緊張感を強める
アデランスはスティールが筆頭株主であるうえ、外国人株主の保有比率が約51%で過半数を超え、安定株主が少ないという特殊事情はある。しかし、ある市場関係者は「今回のアデランスの出来事で、企業の経営者は、株主が経営に不満をもっていれば、自分たちは簡単に会社から追い出されてしまうこと に気づいただろう」と指摘する。
07年の株主総会では、多くの投資ファンドが株主提案をしたが、株主の多数はファンド側につかず、株主提案はことごとく否決に追い込まれた。しかし、アデランスの株主総会からは、ファンド側に理屈があれば、株主は容易に会社側から離れることが伺える。株主総会集中期を前に、多くの上場企業の経営者は緊張感を強めていることだろう。