新興国株で独自性の発揮と「分散投資」促す作戦
アイザワ証券、ニュース証券に共通するのは、新興国株の取引に力を入れている点だ。アイザワ証券は現在、中国(香港、上海、深セン)、韓国、台湾、シンガポール、タイ、マレーシアの株式を取り次ぐ。2000年から「アジア株」への取り組みを開始し、02年3月期に2000件だった約定件数が08年3月期には25万件に達した。しかもこの1年に倍増、手数料収入でも全体の3割を占めるようになるなど、ようやく実を結びはじめた。
ニュース証券も、「収益のウエートとしては日本株がまだ大きいですが、ロシア株とベトナム株はけん引役。ベトナム株はいま、よくないので資金を入れておいて買いのタイミングを待っている投資家が多い」と話す。
日本の株式市場に明るさが見えないなかで、中堅・中小の証券会社は新興国の株式を扱うことで品揃えを増やし、また独自性を出そうとしている。個人投資家へ「分散投資」を促して、かつ取引シェアを伸ばそうという作戦でもある。