脱メタボ関連商品が絶好調だ。サラリーマンを中心に、お腹が引き締まる下着や、「自転車通勤」用のサイクル、お腹の脂肪を取る漢方薬などが売れに売れ、漢方薬にいたっては前年の3倍の売れ行きだそうだ。エステ界では男性向けの「メタボ解決3ヵ月定期券」も現れた。それだけサラリーマンが必死なのにも理由があるらしい。
会社にメタボがバレるとヤバイ事になる??
2008年度からメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)「撲滅」を目指す、新しい健康診断が始まる。メタボと判定されると、生活習慣改善のため保健師らから、指導を受けることになる。その基準値は男性の場合、ウエスト85センチ。
都内に勤務する50代のサラリーマンは、5年前に比べ18キロ増えた体重を減らすため、昼休みの1時間をウォーキングに充てている。週末は数時間のサイクリング。これは07年秋から始めた。
「太りすぎは健康に悪いからね。周りの友人は、08年4月から始まったメタボ診断を気にして、会社にメタボがバレるとヤバイ、とか、メタボと診断されて半年間も保健指導を受けるのは辛い、などという理由でせっせとダイエットに励んでますよ」
とJ-CASTニュースに語った。幸いこのサラリーマンは毎月1キロずつ体重が減っているという。
西武百貨店池袋店によると、メタボ対策商品の売り上げは軒並み好調。例えばサイクル関連は2008年4月が前年比33%増、5月は35%増で推移。40代男性を中心に「自転車通勤」「週末サイクリング」目的で購入されている。また、お腹を引き締める効果があるといわれているワコールの男性用下着「クロスウォーカー」(08年3月発売。税込価格5250円)は、4月が240枚、5月は25日までに100枚売れた。同店広報は、
「弊店売り場の下着平均単価は約2,500円。その倍の高額商品がこれだけ売れるのは今までに経験したことが無い」
と答えている。既存の補正下着も売れ行きがいいのだという。
医薬品業界では、肥満症の改善薬が空前のヒットだ。小林製薬の「ナイシトール85」は、07年4月~08年3月までの売り上げが54億円で、前年同期比153%増。購入した7割が男性だ。ロート製薬の漢方薬シリーズ「和漢箋」は全部で7種類あるが、「おなか周りの溜まった脂肪を落とす」と謳った「防風通聖散錠」が7~8割を占める。同シリーズの売り上げは07年4月~08年3月で前年比約3倍の35億円になっている。
パッケージには女性が描かれているが、購入する5割が男性なのだという。小林製薬広報はこの大ヒットについて、
「男性の健康に対する関心の高まりだと思います。また、4月から始まった特定健診の項目に『腹囲の測定』があることも大きいのでは」
と見ている。