大阪府は、府庁舎と敷地内を世界禁煙デーの2008年5月31日から全面禁煙にし、勤務時間の職員の喫煙を禁止する。04年に全国で初めて全面禁煙をした長野県庁は、約1年半で全面禁煙を「修正」した。職員が庁舎の外で喫煙し「見苦しい」「歩道が汚れる」などという批判が出たためだ。大阪府は大丈夫なのか。
歩道でプカプカ「吸殻や灰で歩道が汚れる」
橋下知事は全面禁煙を達成できるのか?
橋下徹知事が庁舎と敷地内の全面禁煙と、勤務時間中は禁煙にすると宣言したのは08年3月18日に開かれた健康福祉常任委員会。喫煙場所に行って喫煙すれば1回に10分はかかるとし、
「税金をもらっている職員が、1日に何度もタバコを吸っては府民の理解は得られない」
などと説明した。その実施日が08年5月31日というわけだ。
勤務期間中の喫煙を禁止する自治体は全国的に広がっているが、修正した先例がある。長野県だ。田中康夫知事次代の2004年12月に実施。しかし、06年9月に敷地内に「分煙室」が設置された。
長野県庁の担当者によれば、大きな理由は、周辺住民からの苦情だったという。
長野県職員「大阪府の職員に同情する」
昼休みなどに喫煙する職員は庁舎の外に出てしまい、県庁周辺の歩道でプカプカやるため、「みっともない」「吸殻や灰で歩道が汚れる」などの苦情が出たのだ。県庁側としても、
「子供も通る道でのタバコは危険で、タバコを吸っている姿も子供に見せられない」
などとして敷地内に「分煙室」を作ることに決めた。また、来庁する県民の喫煙者からも相当な苦情が来たようだ。
「隠れて吸ったり、住民の目を気にしなくてもいいわけですから、肩身の狭い思いをしなくてもよくなったのは確かです」
という話だった。
大阪府庁の担当者はJ-CASTニュースの取材に対し、職員の喫煙率はおよそ26%で、
「一気に喫煙するのはしんどいところがあると思います。ただし決まった以上は、昼食時の喫煙マナーについても周知、啓発し、全面禁煙を継続していきます」
とJ-CASTニュースに話した。全面禁煙の「先輩」長野県庁の担当者は、今回の大阪府の施策について、自分達の経験を振り返り、
「大阪府の職員(喫煙者)に同情する部分もあります」
と話している。