「派閥抗争に明け暮れる」 NHKのウソまみれ体質

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自民党は調査報告書突っ返す

   NHKの緊急調査のように、自主申告だけではウソが多く含まれる可能性が大きい。そこで、第三者委では、株の取引履歴を実際に調べ、その際、職員に調査への委任状を提出してもらうことにした。ところが、提出に協力しない職員が続出したのだ。

   その数は、943人にも達した。不備な委任状が303人と多かったが、そのほかは無回答や拒否など。これは、本人や家族名義での株保有を認めた職員の3分の1に当たる。非協力者には、プライバシーを理由に挙げる声も相次いだ。「今回の2次調査は、協会職員全員をインサイダーの容疑者として扱っており、プライバシーの侵害も甚だしい調査と受け止めます。捜査機関でもない、任意の調査の限界を超えたものといわざるを得ません」といった主張だ。

   申告そのものをコロコロ変えるケースも見られた。株の保有について、当初は認めながら、後になって自主訂正で否定した職員がなんと166人にも達したのだ。これについて、第三者委は、「予期せぬものであった」と驚きを隠さない。そして、「次の調査で取引履歴を取り寄せることを知り、当委員会に取引内容を知られたくないという心理が働いて訂正を行った者が相当数含まれるのではないか」と推測している。訂正の理由は、「よく調べたら株を持っていなかった」などだった。さらに、株の保有ばかりでなく取引まで認めながら申告を翻した職員が95人もいた。

   こうした実態を知った第三者委では、「相変わらず派閥抗争に明け暮れ、嵐の過ぎ去るのを待つだけという役職員も相当数存在する」と組織上の問題点を指摘している。

   自民党の総務部会などは28日、NHKから説明を受けたものの、「不徹底だ」として、調査報告書を了承しなかった。特に、943人もの職員が株調査に協力していないことに対し、「NHKが評価されない体質がこういうところに露呈している」などと批判が集中した。これに対し、NHKの福地茂雄会長は、「極めて残念に思っている」と記者団に話し、再調査などを検討する考えを示している。

   任意調査に限界があるのなら、警察に告発することを考えないのか。こうした点をNHKにただそうとした。が、NHK広報部では、

「正直に申し上げて、報告書に出ている以上のことは分かりません。どう考えるかはこれからのことで、真摯に受け止めて、対策を練り上げていきたいということだけです」

と繰り返すのみだった。

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