「政府と対立したファンドに同調するリスク大きい」
TCIが委任状争奪戦でどれだけの賛同を得られるか。配当政策だけを見れば、Jパワーの年間70円に対し、120円か80円という二つの選択肢を提示しているTCIに勝算ありと、単純にいえるかは微妙だ。両者の提案について、ある法人株主は、「Jパワーの経営状態から120円は論外としても、70円と80円を比べたら少しでも高い配当を選ばないと、こちらも株主に合理的な説明を迫られる」と打ち明けるが、「政府と対立したファンドに同調するリスクは大きい」(別の法人株主)との声は少なくない。Jパワーも、「TCIのやり方は株主の賛同を得られない」として、TCIの株主提案否決に自信を見せている。
TCIが委任状争奪戦にも敗れると、「TCIへの出資者から批判が強まり、ホー氏自身もアジア代表の地位が危ぶまれる」(大手証券)との見方もある。TCIの今後の戦略にも影響は避けられないとみられるだけに、激烈な委任状争奪戦になりそうだ。