動物病院の診察料を支払わない悪質な飼い主たちが増えているようだ。病院を巡って初診を繰り返し、踏み倒す、といった手口だそうだ。背景には人間と違って、保険が効かず料金が高いこともあるらしい。
「BMW」に乗っているのに3万円の診療費踏み倒す
ペット診療の未払いは「ペットがかわいそう」(写真はイメージ)
獣医によるブログ「どうぶつ病院診療日記」には、衝撃の実態が書かれている。
「BMWに乗っていて、ルイヴィトンの財布を持っているのに、カードは持っていない、と言って、結局3万円ほどの診療費を踏み倒して行きました」
これまでに何度も踏み倒されたというこの獣医は、診療時間外の「初診」に多いと、分析している。さらに、「固定電話」「カード」を持っていない、という人が、「アヤシイ」ようだ。複数の病院で初診を繰り返しては、踏み倒すというのが常套手段だ。
また、難しい病気の場合には、治療しても完治できないことがある。すると、「支払う義務はない」と主張する飼い主もいる。病院に連れてくるのが遅れて病状が悪化したケースでも、自分のことは棚に上げて獣医を責め、支払いを拒否する。こんな輩も珍しくない。
「デイリー東北」2008年5月19日号は、青森県八戸市の動物病院で診察料を払わない飼い主が増えていると報じた。現金を持たずに来院し、後日支払うと言って偽名やうその住所を病院側に知らせる「確信犯」もいるようだ。
ペットの医療費が人間に比べて高いのは、保険が効かないからだと言われている。風邪で通院する場合、1回あたり1万円近くかかるのも珍しくはない。任意で入ることのできるペットの保険もあるが、利用できる病院が限られているため、加入者が少ないのが現状だ。