現代美術作品が高騰している。もはや億単位の値がつくのは、珍しくない。こうした傾向は世界的な流れで、最近では中国美術が注目を集め、「バブル景気」を迎えている。
過去最高は米作家の163億8000万円
「ユーレンス現代美術センター(UCCA)」で行われた美術展のパンフレット
日本の現代美術作家、村上隆氏が作製したフィギュア「マイ・ロンサム・カウボーイ」が2008年5月14日に米ニューヨークでオークションに掛けられ、1516万1000ドル(約15億9200万円)で落札されたと話題になっている。予想落札価格の300万~400万ドルを大きく上回る結果だった。
アニメ顔の男性フィギュアは全裸で、左手で握る性器からは白い液体のようなものが出ている。
「ワイセツじゃないのか?」
という声も一部では上がっている刺激的な作品だ。
村上フィギュアに限らず、現代美術作に驚くほどの高値がつくことは珍しくない。
J-CASTニュースが確認した限りでは、過去最高の売却額は、米国のジャクソン・ポロックの作品で、約1億4000万ドル(約163億8000万円)だった。「The New York Times」06年11月2日の記事によると、「縦約8フィート、横4フィートの繊維板に茶、黄などの線がぐちゃぐちゃに描かれている作品」だそうだ。取引情報は公開されていないが、ある芸術専門家からの情報筋によると、買い手はメキシコの経営者、出品したのはハリウッドエンターテイメント王のデービッド・ゲフィン氏のようだ。
中でも、バブルとも言われているのが中国人作家だ。アジアのIT長者、欧米の美術品愛好家らがこぞって購入、それがさらに相場を引き上げるという循環に入っている。