中国の大学と連携して教育を行い、卒業後に来日
ただし、同記事では「このような取り組みでは焼け石に水」とばかりに、やはり技術者不足の解消のためには外国からの要因受け入れが不可欠との見方のようで、シリコンバレーを引き合いに出しながら、米国、英国、シンガポール、韓国などに比べて、日本の外国人技術者の数が大幅に少ないことを繰り返し指摘している。
その解決策として、違った角度からのアプローチを試みる企業もある。技術者派遣大手のアルプス技研(神奈川県相模原市)では、中国の大学と連携して学生に教育を行い、卒業後に来日して働いてもらうという試みを行っている。同社では、04年から中国・青島にある大学と協力して、日本語教育、ビジネスマナー、記述的な基礎知識などの授業を4年生のカリキュラムに盛り込んでいる。卒業後は来日してもらい同社の正社員として就職。日本国内メーカーの開発・設計現場に技術者として派遣される。
05年の初来日では、技術者の数は14人だったが、年を経るごとに人数は倍増し、累計で142人が来日。同社のIR・広報室では、
「ただ単に『数を多く連れてくれば良い』というものではありません。来日前にそれなりの教育を受けていただき、派遣先の企業とご縁があるような人を選抜するのは大変です」
と苦労を明かしつつ
「来日なさった技術者の中で、まだ中国に帰った方はいないはずです」
と胸を張る。
国内ではなく国外での人材探しに踏み切った理由については
「そもそも、国内では理工系は圧倒的に足りません。それに、国内の顧客も、外国人技術者に対する抵抗感が少なくなりつつあるようです」
と話す。まだまだ、外国人技術者に対する需要は大きそうだ。