名簿にもとづいて電話をかけている?
しかし、どうして「カニ商法」がここへ来て急増しているのか? ある水産庁関係者は「トラブルについては知っているが、どうして増えたのかはわからない」と話しており、国民生活センターでも「理由は分からない」としている。
「何らかの名簿にもとづいて電話をかけていると思われる。また、(トラブルにあった人は)カニを通信販売や北海道などで過去に頼んだことがある人が多いという節はある。とても無作為で電話をかけているとは思えない」
熊本県消費生活センターでは、「顧客名簿」が何らかのかたちで出回っている可能性を示唆する。
国内に流通するタラバガニの9割近くがロシアから輸入されたものといわれる。ロシア政府が極東海域での密漁の摘発強化や、タラバガニの一部禁漁措置を取ったことの余波で、08年に入ってからカニの輸入量が減少している。また、08年5月17日の日経新聞(北海道版)では、「カニ不足」の背景にロシア産のカニが日本から規制の緩い韓国に流れる傾向があると報じている。日本では、「カニ不足」の状態に陥っているのに、どうして「カニ商法」なるものが急増したのか、謎は深まるばかりだ。