電気料金も、電力供給量も「原発」しだい
7~9月に適用される電気料金は、標準家庭(1か月あたりの使用量が260~300ワット時)で、月額60~159円アップする。東京電力は137円アップの6797円で、中部電力の159円アップ(6767円)に次ぐ値上げ幅だ。
値上げ幅が大きい理由について、電力業界をウォッチしている岡三証券のアナリスト・宮本好久氏は「エネルギー需要の伸びが高めだと原料価格が割高になりやすい。そのうえ、原子力発電の構成比が低いことがある」と説明する。使う電力が増えれば、それに伴い原料(原油)の輸入も増やさなければならないから、コストアップする。火力発電は「カネ食い虫」。いまの電力事情は、電力供給量も料金も「原発しだい」というわけだ。
東京電力によると、8月に消費される電力の見通しは、平年並みの暑さと仮定した場合、6110万キロワットで、これに対して6470万キロワットを確保できる態勢を敷いている。これは電力不足に陥った2007年8月の供給量(6147キロワット)を上回る。柏崎刈羽原発は停止したままだが、「川崎火力発電所を新たに運転開始することや、停止していた火力発電所の操業再開によって確保する」として乗り切りに自信を見せている。
東京電力は春と秋に展開している「Switch(オール電化)キャンペーン」のテレビCMや予定していたイベント(オール電化体験フェア)を中止した。家庭で「節電」を呼びかけておきながら、その一方で住まいの「オール電化」を推進しては、消費者の理解が得にくいと考えた。
J-CASTニュースが東京電力に「この夏も節電をお願いする」ということになるのか聞くと、「節電のお願い方法も含めて、具体的なことは需給状況をみながら検討していく」と話した。